宇宙背景色はなぜ黒なのか?
このJAXAの記事の「考え方」が全然間違っているので、訂正して欲しいなと思う今日この頃。
宇宙は途方もない数の恒星を有している。
もし、静かな宇宙、つまり膨張していない宇宙であれば、地球上から見上げた空はどのように見えるのだろうか?
地球から見てあらゆる方向にすべての恒星、つまり星が見えてしまう。
すべての恒星からの光が地球に届き、まばゆいばかりの空、というよりギラギラした空が見え、今見えている宇宙背景色の黒など、どこにも微塵も見えないはずである。
ところが現実はどうでしょう?
地球上から見ると、空は全然ギラギラしていない。
黒の背景色に星々がキラキラと見えるだけである。
言い換えると、まばらに星々が見えて、その向こうには宇宙背景色の黒が広がって見えるのである。
これはまさに、宇宙が膨張しているからに他ならない。
宇宙の膨張率は73.2 km/s/Mpcである。
これは、1Mpc(メガパーセク:約326万光年)離れるごとに膨張速度が秒速73.2km大きくなるということを表している。
地球から326万光年先の空間を見ると秒速73.2kmで遠ざかっている。
地球から326万光年×2倍先の空間を見ると秒速73.2km×2倍で遠ざかっている。
地球から326万光年×3倍先の空間を見ると秒速73.2km×3倍で遠ざかっている。
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地球から326万光年×4100倍先の空間を見ると秒速73.2km×4100倍で遠ざかっている。
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ここで、326万光年の4100倍先(133億6600万光年先)の空間に恒星があるとすると、その恒星が発する光は果たして地球に到達することができるか?というのを考えてみる。
133億6600万光年先の恒星の位置する空間は、宇宙の膨張に伴って、地球から見てどのような速度で遠ざかっていくのかを考えてみる。
秒速73.2km×4100倍=300,120km/s。
一方、光の速度はというと、299,792km/s。
空間が離れていく速度が光の速度を上回ることになる。
つまり133億6600万光年先に恒星があったとしても、その恒星が発する光が地球方面に発せられたとしても、空間が離れていく速度が光の速度を上回るため、光は永遠に地球に到達することはない。
地球を中心として考えると、宇宙のあらゆる方向の、約133億数千光年以上先にある無限の数の恒星の光は地球には届かないのである。
逆に考えると、地球から見上げた空には、地球を中心として半径約133億光年以内にある恒星だけが見えている、と言える。
だから、「宇宙はなぜ黒く見えるのですか?」は、
×:太陽の光を反射する物がないからです。
○:地球を中心として半径約133億光年以内にある恒星だけが見えて、それ以上先の恒星の光は地球に届かないからスカスカのように黒く見えるからです。
ポイントは、
宇宙の黒は、
・光を発する恒星が地球を中心として半径約133億光年以内に限られるから。
・それ以上遠いところに無限ともいえる恒星があるが、その光は地球に到達しない。
というのを教えてほしいです。
JAXAにはダイナミックに膨張する宇宙をロマンを持って子供たちに伝えてほしいと思います。
膨張速度は以下のサイトを参考にした。
光の速度は以下のサイトを参考にした。